当社の事業は大きく分けて、建築事業、土木事業、エンジニアリング事業、投資開発事業があります。建築と土木はおわかりと思いますが、エンジニアリング事業とはエネルギー関連の施設やプラント、情報、汚染土壌処理など、高度な技術を活用して建設関連の市場でビジネスを行うものです。投資開発事業とは不動産開発事業のことです。ただし、不動産をストックとして持ち続けるのではなく、土地を取得して質の高い建物をつくり、優良なテナントを誘致するといった付加価値をつけて、事業を運営する企業に譲渡するということを基本としています。
また、国内だけでなく、海外でも数多くの仕事をしています。海外市場は規模や成長性から見ると非常に有望なのですが、国によって様々なリスクがありますし、国際競争力を有する各国の建設会社が価格や技術でしのぎを削る熾烈な競争市場でもあります。プロジェクト毎にしっかりと判断しながら取り組んでいく必要があります。
国内の建設市場は、バブル期に八十兆円という建設投資の規模でした。今は五十兆円程度で横ばいとなっています。今後、この数字が増えるとは思えませんが、それでも五十兆円あるわけです。非常に大きい市場だと思います。特に、近年は大手ゼネコン五社のシェアが伸びていて、さらに、その大手の間での競争が一層激しくなって来ているという状況です。そうした中で、我々の仕事は常によい建造物をつくること、お客様の期待を超えるような「ものづくり」をしっかりとしていくことが基本です。その軸は、どんなに環境が変化しようとも決して変わりません。
ものづくりについては、全社で今一度、見直しをしようということで、まずは現場の仕事のあり方から取り組んでいます。建造物のつくり方が大きく変わったということではないのですが、お客様からの要求が厳しくなり、技術も極めて高度になっています。工期を守り、コストを抑えながら、同時に安全や環境面には最大限の配慮をしなければなりません。とにかく、現場でやるべきことがあまりに多くなってきているので、ともすると“よいものをつくる”ために必要な時間を確保しにくくなってしまいます。そこで、現場を支援する専門組織も含めて、ものづくりに専念できる環境をどのように構築するか、具体的に考えていこうということです。
当社の現場は約千五百カ所あります。千五百種類の一品生産です。一品を“逸品” にするために、シミズ流のものづくりを追求していきたいと考えています。